昨日の芝居の中で「むかし、むかし」というお化けがいる家がある。
「むかし、私は金持ちだった。むかし、私は有名だった。むかし、私は美しかった。」
そんな言葉の多い家は暗く悲しく良い事は何も起こらないそうだ。
こんな歌をバックに舞う20歳の若手女形。私は始めて大衆演劇の世界の女形をみた。
わたしよりズーット年上のお姉さま方が少女の眼で彼を追う。まさに初恋の君を思い出して
いる態である。これも「むかし、私も若かった。あなたのように若かった。」と言うことだ
と解釈した。私もそんなことを言われる歳になってしまったのかな。
いいや私は可愛い孫と言う感覚だった。「あれ、もっとわるいか・・・・」