前進座の80周年記念公演

舞台の役者にとって国立劇場の大劇場でたとえセリフは少なくてもその大舞台に立つと言う事は

夢であり、「役者みょうりに尽きる」ことであるらしい。

前進座という劇団は東京では古く歌舞伎から飛び出た若者たちで構成された劇団で今年80周年を迎えた。

多くの劇団員の中からこの記念の舞台に立てたのだから大きなご褒美であろう。

ここで感じたことだが今日の公演のなかに「ニホンザエモン」という大泥棒が登場する。「白波5人男」の中では盗賊団のボスのような人であるが

今日見た作品はこの大泥棒がヒーロー扱いなのである。「悪のカッコよさ」を観客にアピールする。善玉の弱さと悪玉の痛快な悪さを掲げて迫ってくる。

また「やっこ」という武家に使える小者という存在も一種ヒーローとして扱われている。これは一般庶民が自分に置き換えて拍手を送りたい職業の

かっこいい、男衆なのだそうだ。歌舞伎を見るチャンスはあるがこのような舞台の構成も面白かった。