コンサート会場にて


今此処で聞くあの音、この音が生まれそして空間に消えていく、瞬間瞬間に誕生する音の洪水の中に自分を浸し、音の専門家の耳が捕らえる、音の遊び、打ち合わせを聴きながら、わたしの置かれている立場の幸せを感じている。わたしは、こんなに、音を楽しんだ事はない。サックスの演奏者が二人、ピア二ストの音が絡まる。楽しんでいる。真面目ばかりではいけない。音を楽しむことを、この人たちはしっていた。孫よ、まだ幼い貴女は音を楽しんで欲しい。この先輩たちのように。

楽器に触れ、楽器を愛し、自分の身体の一部に成ればもっと楽しいだろう。
あの子はやっと音が出せたに過ぎない。
高い席でわたしは、さらなる音を追及している。演奏者を見ている。

この高みより音に浸り、音の中に心をたゆたう。幸せである。究極な時間。私は死を迎える時日向の成長した、音が聞けるのだろうか?