母の元へ

今週の中旬から関西に呼ばれている。
今日しか丸々空いた日がない。
そこで、青梅の慶祐病院に久しぶりに母に会いに行く事にする。
本当につくずく私は妹と言う存在がいてよかった。何故なら、私に暇がないので、すべて母の事は、妹に任せてあるからだ。妹も忙しいのに、よく母の面倒は見てくれている。
また、ちょっとしかない財産はこの世の天国の様な場所で、無くなる算段も母は立てている。
やたら財産を持つと、人間自分の思うように動けなくなるから不思議である。私はなんと幸せであろうか。働くことが出来る身体と、好きなことが出来る時間と脳をいただいていることに感謝している。

武蔵境の駅9時10分の直通青梅行きにのる。
これだと、10時5分の病院の専用バスに乗れるのだ。母は首を長くして、待っているだろう。

今日は汗ばむくらい、気温が上がっている。
電車の中は半袖の人も多い。もしこれ以上病院が暑くなれば、半袖の準備もしてきた。

もう、二カ月も会っていない。どんな話が聞けるのか、今から私もワクワクしている。私も溜まった話を全て話そう。家族とは有り難いものだ。

昨夜吉祥寺に降りて、母の日に行けなかったお詫びの品を探した。昔懐かしいラムネ菓子と海苔で巻いた、おかき。佐久間のドロップ。を買った。オシャレ好きの母はゴディバのチョコレートなら喜ぶのはわかっているが、私にはこの3品の母が示す反応が見たいという、欲望がある。

病院に着くや否や私はどうも4ヶ月も行かなかったようだ。ハハハハハでごまかせないしっかりした年寄りにも困ったものだ。三品は察しの通り佐久間のドロップだけ取った。それとお花。昨日は母の日に虎屋さんが、練り切りと水菓子をメインルームで振舞ってくれたと話す。ここは今週は音楽家が来てリサイタルだそうだ、模様しものが沢山あり、庭の手入れもよく、戸外散歩もたのしめる。お昼はいつも上うな重を私に食べさせるのが、母の務めになっている。事務所で待つ方がいるので一時には帰える。何時もこれが最後ならいいのに、と言う母に後ろ髪を引かれる思いで別れる。又会いに来よう。母はもう遣り残したことはないので、はやくお迎えが来て欲しいらしい。そうはいかないのはわかっているからそう言うのだ。