除霊か和解か

Y嬢の言葉をそのまま紹介しよう。
『禊の後の手応えは感じています。霊に耳打ちされる回数や量は減りました。
しかし、体調は変わりません。相変わらずどこにいっても苦しめてやる、と言っています。』から始まった。私が会議で電話にもメールにも出られない間に彼女は霊と対峙した。「お前が100日謝ったら許してやる。土地に住めるようにしてやる。」と霊から言ってきた。彼女はうそ臭いと思った。そこで「コトネさんに話すぞ。何を謝るのかわからないが、私たちにも100日長年苦しめた謝罪をしろ。お互いのために冷静な話し合いをしたい。」といったら持っていた13面体がかけたどうしたらよいかと泣きそうなメールが来る。ここまでの努力を彼女はしている。ウエに問うと「直ぐに合え」といわれる。
続いて、彼女から「お互い後味の悪いのは嫌なもんだ。皆が幸せじゃなきゃ意味が無い。霊体にも言い分はあるはず。順序だてて話せ、話してくれなきゃ解らないぞ。と言ったら13面体がかけた。」とおぎなうメールが来た。

おみごと、よく成長した。私は彼女を絶賛したい。だからウエは直ぐ会うように言われたのだ。
自分の事は自分しか解決できない。今までの経験で、自分の事を自分でやらずして私ばかりを頼る事はもう許されない段階に入っている。
彼女は自分で出来る限界まで自分を研磨した。それ故会うようにという指示が出たのである。
「どうも、禊以来自分の身体をのっとっていた者が、身体の側面を通過して
出たり入ったりしている感じがする。一人ではないようだ。」とも感じている。
彼女の霊体と話を始める。どうも彼女の家が手ごわかったのは時代はずれているがその場所で2回一族郎党殺戮の土地である事がわかった。此の霊体達を沈める為に日蓮に連なる誇り高き僧侶が此の地に塚を奉ったが本願成就せぬまま
此の僧も無くなりその僧侶の念も此の地にはあったようだ。
はじめ此の地を収めていた武士の長とイメージの中で話をすると、呪術で人を呪う事を仕事にした、老婆が現れた、「自分は呪いで人を殺めたから、天には行けない。それで此の地の人々を未だに縛り付けている」という。あなた一人を上げることで罪の無い人々がウエに上がれるのだ。
「あなた自身悔い改めているか?」と問うと「悔い改めている。」というウエから光が来る。繋ぐ。その霊団が消えていく様子が私の額に映像として確認した。疲れたのでしばらく休む。此の老婆が「呪ってやる。殺すぞ。」と彼女の耳元でささやいていたようだ。
「これからは、貴女が見えたものと話をしよう。」といい。彼女に呼び出してもらっての作業となる。これも一番の大物が消えたから出来る作業である。
次は横笛の名手の武将である。彼は妻を早くなくしY嬢に横恋慕していた。
彼女から離れたくないという。彼の妻を呼び出す。「あなた、さあここよ、
私はここよ、早くいらして。」此の声がY嬢とコトネの頭に同時に響く。
「あっつ。声がしたらとんで居なくなった。」と彼女が叫んだ。私にも同じ
映像と声が聞こえた。
次を呼び出す。「にゃあ。にゃあ。」猫である。母猫の顔は覚えていない
自分の飼い主を母と思い込んで育ったが飼い主に先立たれ不運な末路をたどった猫が出てきた。「私は何かを言おうとすると猫語になるのには参った」とあとで彼女は言った。額に映った大きな猫を子猫に変える。
母猫に連れに来てもらう。地蔵さまも付随してこられた。お預けする。
ここで又休む私だけではない。彼女の疲労も大変なものがある。
ベットに寝てもらって自律神経を和らげる。
誇り高い僧侶が「悪かった」と一言言われる。自分の力であと1ヶ月で残りの
全ての人々を連れてあちらに上がられる事を約束される。ただし3の着く日にお酒をお願いされた。
全てが終わり、榊風呂を用意して入ってもらった。
家も売らないですんだ。ただし1ヶ月は他で暮らさなくてはならない。

霊と戦い方で追い出すのは良かろう。しかしその霊体が戻ってしまえばまた身体は不調になる。簡単にいく場合とそうでない場合もある。
彼女のように勇気を持って霊と対峙しお互いが幸せにならなければいけないと
思ってくれる素の魂を彼女が持った事、成長してくれた事をウエは認めてくださったのだ。亡くなった方々も前は人であった。礼節を持って対処すべきであろう。
人によっては霊体を恐れるあまり無実の罪を罪も無い霊体に被せて生きている人間を見かける事があるが、めぐりめぐる恐ろしさに気付かなければならない。彼らとて言い分はあるのである。