岡山館の名物男

昭和16年生まれ、先代此方の名物女将さんの目にかない、旅館の下働さんとして、自称「ミコ支配人」として半世紀、をこの岡山館さんで働いている。
今も春の雪が、シンシンと降る中黙々と雪掻きをしている。何時も見えている妙高山が見えない。窓は真っ白の雪景色だ、若女将が「夕方はキラキラした輝く霧の様な氷りがきれいなんですよ」と言う。
昨日も20人のお客様、今日は、50人からのお客様に中居さん方も、夜遅くまで、たくさん働いている。女将さんの人あしらいもさる事ながら、若女将がだんだん似てきていて、頼もしい。

ミコ支配人は健常者では無いが、何時もニコニコと、赤いホッペをして、岡山館の雑務をこなしている。重い荷物も何も言わずに運んでくれる。小さな子供達が幼稚園や学校に行くのを、ニコニコして静かに見送り決して出過ぎず、番茶を美味しく出してくれる。

みんなに、ミコチャンと呼ばれ頼りにされている。ホントにエールを送りたい。

山の天気は変わりやすく、今晴れたと思うともう、雪雲が山から降りてくる。今夜の宴会の準備に、余念がない。