生 渡辺えりさん

何と彼女は、「怪物女優」と言われている、ようです。そうかもしれない。だってピカピカ輝いているのだもの。
年は63歳何と私より5歳も若かった。高校の演劇部から、上京して40年の演劇人生である。
絵も見事なものだ、戯曲作家でもあり、女優でもあり、演出家でもある。今日は花柄のワンピースに白い靴。話しをしながら、忘れた人の名前や、劇場名を右手で右足をパンパンと叩きながらからだのリズムを刻む。足の先をパタパタさせながら、楽しそうに話をする。可愛いのである。司会進行の丸尾聡氏の影が薄いくらい喋りまくる、しかし面白い。大変に失礼な話だが
私と同じ匂いがする。これでは屈強な男が5人でかかっても、負けないだろう。芝居のことになると、脳がものすごいエネルギーで回っているのがわかる。目がキラキラして、ちょっと前屈みの上半身から食い付くような、くちびるから連続して、機関銃のような言葉がでてくる。
又その内容の中に「女」と言う差別用語がある。と言う話しが一番私の胸に残る。芝居を男達が見に来ないのが問題だ、芸術を先に進めるのが女と昔から言われているのだから、先に進めちゃいましょう。私は会長に後2年居ります。この間にやるべき事をやります。何と力強い。私にとって千載一遇のチャンスかもしれない。「書くぞ」と密かに最前列の真ん中の席で身を乗り出す私でした。