遺影
大切な人の写真を今日奥様から頂いてきた。
優しい微笑み、静かな笑顔、日本男児はこの人そのものだ。病を知った上で最後まで活躍し
博多織に貢献した。奥様が言われた。
「息子が彼の譲った会社の名前を言っても『解からん』と言ったのに『博多織』と言ったら解かった。」
いつも素敵なダンディーな人であった。いつまでも応援して頂きたかった。
私の中で人は何時か死ぬと解かっていても死んで欲しくない人であった。良きアドバイザーであり、
人生の先輩であった。「お葬式に先生が来てお出でにならなかったから・・・」
「すみません。本当に別れたくない人のお葬式には出れないのです。」しかし・・・・出なかった事を心の底で後悔した。
今日はゆっくり奥様とお話出来た。そして写真を頂いてきた。
お家の遺影は真っ白い花々で埋め尽くされていた。その遺影を見ただけで涙が止まらなかった。
一緒にうかがった友人も気がついた、遺影の彼の目がやさしく変わった事を、私も気が付いた。
最後まで生きる事を信じた。信じて欲しかった。
この人こそ『生き切った』人である。やっと御家に伺いこの世でのこの方との深い縁を感じた。