逆浦島

対馬は濃かった。

水中翼船で爆睡し、2時間に近い海上移動をしたせいであろうか、

福岡に着いたら時差ボケならぬ、時空ボケ、喫茶店を見て驚き、

コンビニを見てなつかしがり、薬局がある事に感動し、男性が

色物を着ていることにびっくりした。たった半日一泊どまり

また半日で福岡到着という強行軍のなせるところなのか、仲間の一人は

計算が出来なくなる。

ふと浦島太郎の逆バージョン、逆浦島を感じた。昔に戻ってきたわけではない

未来に帰ってきてしまった。


次の目的地大島に向かう、宗像神社の大島、中津宮遥拝所での

沖ノ島のお祭りを女、子供、老人が拝むことが出来る行事に参加するために

向かう。ここで、少し調和された、しかし島の民宿には乾燥機、アイロンは無い

コンビニもなかった。コンビニ中毒の都会人にとってかなりのショックである。

こちらでの神祭りにも神様の御好意があり、お酒代タダ。

コーヒー代タダ。お弁当代タダ。レンタカーただの大特典付き。

こんなのでよいのだろうか、

この旅行で皆がアバウターと言う集団と化した、野生の雉をみて「くじゃく」

というもの、お金の計算がルーズになる。何処に行っても感覚が鈍る。

なんだか、「うふふふふ」「ごめんなさい」「あはははは」「いいわよね。」

と言うような調子なのである。どうしてしまったのだろう。

人間の能が付いていけない事があるらしい。