最後の時。
粛々と、時は流れていく。
何故か、私の中の誰かがこの場に来て、色々な人間の様を見ている。
勿論、身内のことだ。さてさて、こんなに人が見えて良いものだろうか?
母は、小さくなった。しかし、良く人を気遣っていた。
小さなひ孫達は元気に生を謳歌していた。
孫達は其々に個性的に育っており、良い親になっていた。
私の身内の中で人間として、一番良く育ってくれているのは、
我が家の嫁でありましょう。この人の性格の良さは、父も好んでいた。
人間子供を持つことの大切さを感じた。
いよいよ父が荼毘に付される。前に父の亡骸を運ぶ、
その後を喪主の母親族がそのあとに並ぶ。
静々と親族の列が進む、その時だ、皆の携帯から
地震警報のサイレンが鳴り出した。
最後の別れのファンファーレの様に。
やはり、凄い人だ。地震はおさえた。
人は、最後を音で飾ると言う。