温泉の効用

心身ともに休みました。神様が下さったお休み。

九州国東からいらしたH夫人とSちゃんと箱根に行く約束をしました。約束どうり

箱根湯本で待ち合わせして通い湯の姥子の秀明館に向かいました。

箱根はもの凄く晴れ渡っているのに風が寒く、買ってきたお弁当をほうばると、

お湯に直進して飛び込んでしまいました。本当にここのお湯は私には一番合います。

H親子さんも大変気に入ってくれました。外の空気はピーンと張りつめているのに、

お湯の中は別世界です。無になる。空っぽにする。こんな感覚がふつふつと湧いてきます。

空っぽになると不思議なのですが、木の心が解ります。風のそよぎが解ります。

赤ちゃんが何を言っているのか解ります。心がほっこりします。

今日は泊りやどは天山のはごろもです。バスを待って湯元へ。

バスの中では深い睡眠を取りました。天山に着くと羽衣という湯治施設に荷物を置いて

一休と言う総檜のお風呂に入りました。露天風呂も趣向が凝らしてあり中々の物です。

ここで一言、高校を卒業して温泉と言う所に初めてやってきた娘さんが2人

洋服を脱ぐとそのままザブザブとヒノキ風呂に水しぶきを蹴立てて入ってきました。

注意をしようかと思いましたが、止めました。それはこんな文章を思い出したのです。

「日本人の本質の中に温泉がある。『人間らしさ』や『おのずから』とは自然の真理。

日本の伝統的な民衆思想で自然は真理である、なぜ真理なのかといえば、自然は「おのずから」

のままに展開していて、一切の作法が無いからである。」こんな大自然のまっただ中で

きっとこの若者の感性が解き放たれたのだろう。「お風呂に入る作法を守って下さい」

と入り口に書かれていたが、そんなものは、眼に入る人に入るのだろうな。

ふと、温泉をたのしんでね、好きになってね。と思いました。

それでは入浴の作法とは・・・

子供のころおばあさんにうるさく言われませんでしたか?

お風呂に入る前に丁寧に顔のお化粧を落し洗顔して、次にオマタと足の裏、

わきの下を洗います。(汚れた部分と言う事でしょうか?)

石鹸=近頃はボディーソープで洗えば更にOK。

前をタオルで隠し、湯船に静かに浸かります。今の子供さん方はシャワーですから

こんな入り方は知らないのでしょうね。大家族でお風呂に入る事は湯船を汚さないという

礼儀もありました。入浴剤を入れるなんてことは昭和60年代ではないでしょうか。

ともかく、温泉国日本。地のエネルギーを自分の身体に汲み上げるこれが温泉の醍醐味です。